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翻訳学校イチオシの医学翻訳に役立つおすすめの勉強ツール、サイト、辞書+Tipsをまとめて紹介【和訳英訳対応版】

翻訳学校に通っていたときから、結構な頻度で翻訳教材とか辞書系の情報をもらっていた。中にはネットには出回っていない貴重なサイトや教材の情報も多い。そこで今回は翻訳学校から仕入れた、医学系のオススメ勉強ツール、サイト辞書等の情報をまとめて紹介しようと思う。

目次
・医学専用ネットサイト
・医学専用ネット版用語集
・医学辞典
・医学知識を身につけるためのメディア
・医学独特の文体や英語表現を身につけるためのツール
・医学翻訳用CATツール

*文字にリンクが埋め込んであります。文字をクリックすればサイトに飛べます。

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医学専用ネットサイト

医学専用サイトは普通の英語辞典とは違う。主に普通の学会のサイトで、医学用語などの単語を調べる機能が付いているところだ。しかしそういったサイトはかなり少ない。ここでは医学専用のサイト集を紹介していく。


ライフサイエンス辞書プロジェクト

lsd-project.jp

かなり広範なライフサイエンス系の学問のオンライン辞書。ライフサイエンスには生物学を中心に化学・物理学、医学・薬学・農学・工学・心理学などがある。これらの専門用語、対訳、用法をデータベース化したサイトで無償で提供している。

英訳、和訳、共起表現で調べることができる。
共起表現とは例えばなんかの単語一文字を入力したら、それに関連する文章が一覧で表示される。つまり、例えば「life」を入力すれば、lifeを含んだ文章を、一覧でバーッと表示してくれる機能のこと。メッチャ便利。


MedDRA/J

医薬品・医療器機の専門用語のオンライン辞書。医薬品医療器機レギュラーエントリーサイエンス財団というかなりマニアックな財団が運営する本格サイト。
無料でも一部利用できるが、本格的な機能は有料。


日本化学辞書WEB

jglobal.jst.go.jp

有機化合物を中心にデータベース化した辞書。有機化合物の学問で扱う用語ならなんでも載ってると思われる。用語だけでなく、日本語名、英語名、法規制番号、CAS登録番号、構造番号まで検索可能。

2016年3月より、化学物質名や文献キーワードなどより多彩な検索機能がついた。
使用は無料でできる。


メルクマニュアル(MSD)

世界でかなり信頼性の高い医学書「メルクマニュアル家庭版」をオンラインを無償で提供したサイト。精神疾患、消化器疾患など検索できる医学分野は、全部で22項目にも及ぶ。
医学翻訳者はかなりお世話になるであろう辞書。信頼性も高く、単語の正確性はお墨付き。
日本語版と英語版がある。


Medical Encyclopedia

アメリカ国立医学図書館内のサイト内にある医学用語専門オンライン百科事典。
1つの用語を検索しただけで、症状、症例、治療など多彩な関連項目の解説が出てくる。またカラーの写真を多用しているので、実際にどんな意味の単語なのかよくわかる。
もちろん無料。


がん情報サイト PDQ日本版がん用語辞書

cancerinfo.tri-kobe.org

アメリカ国立ガン研究所の用語集を日本語版にしたもので、PDQというガン専門サイトに掲載されているガン専門用語7000千語を掲載。

治療やスクリーニング、予防などより詳細な項目ごとに分かれているので、目的にあったガン用語を検索できる。



医学専用ネット版用語集
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こちらは医学用語をサイトに一覧でまとめている。また、サイトによってそれを検索できるシステムもある。状況に応じて使い分けたい。


毒性試験用語集

国内の医薬品食品衛生センターが発行した用語集で、動物実験に特有の日本語と英語を掲載。

こちらは辞書ではなく用語集なので、検索するのではなく、PDF形式で閲覧する形式になっている。
「一般状態用語集」「催奇形用語」「病理所見用語集」「D.行動」の4つのカテゴリーから構成されている。


薬学用語解説

日本薬学会による、薬学医学の関連用語集。フリーキーワード、絞り込み検索機能で検索でき、アルファベット順で掲載されている用語を検索できる。

1つの用語についてかなり詳しい説明がついている。


JASTRO 用語略語集

日本放射線治療学会により、作られた用語略語のオンライン用語集。放射線治療に関する用語をオンラインで掲載。

放射線治療はガンとか、腫瘍系の治療に多用される治療。他の医学分野に関連した用語も、たくさん掲載されている。

日本放射線腫瘍学会用語集委員会により、常に最新の用語が更新されている。



医学業界用語集

日本製薬工業協会のサイト内にある用語集。医学業界の略語、英文、日本語訳を掲載。

フリーキーワード検索や論文に掲載されている用語を抜き出す「索引検索機能」がついている。なので、論文内のかなり専門的な用語も取り扱っている。



医学辞典

医学辞典は紙辞書やCD-ROM版が出ている。他にもあったが、こちらの辞書は「まだ辞書を持っていない初心者」でも安心して使えるオススメの辞書だ。


広川ドーランド図説医学大辞典 第28版 縮刷版

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全収載語数13万語。新たに収載した語数1万6千語。医学英和辞典としては最大の語数。英和・和英の両機能をもつ。

CD-ROM版が無くて紙版の辞書しかない。紙の辞書としては良書に入る部類。

広川ドーランド図説医学大辞典


ステッドマン医学大辞典 改訂第6版

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内分泌学,胃腸病学,老年病学,リウマチ学などの分野を中心に,広範囲な分野について改訂が行われた。10万語に及ぶ最新医学用語のなかで,改訂項目は約3万5千語,新たに収載された語は5千語以上にのぼる。

Windows版、mac版、電子辞書版など、紙辞書以外にもユーザーの目的に合わせて、購入できるようになっている。個人的には翻訳初心者には、ステッドマン辞書(特に、CD-ROM系)が一番いいだろう

ステッドマン医学大辞典



医学知識を身につけるためのメディア


医学知識は日々進化している。そこで常に新鮮な医学知識に触れることは、毎日の勉強方法として有効だ。そこで、ここでは値段的にリーズナブルな、医学系メディアを紹介しよう。


日経メディカル(日経BP社、月刊誌)

ネット上のサイト日経BP書店で購入できる。月刊誌なので書籍というと形で購入する。月に800円で、医学系メディアとしてはリーズナブル。
「医療、介護、薬局、バイオ」項目から選択して購入。


メディカルトリビューン

medical-tribune.co.jp

最新の医学情報を常に見れるサイト。会員登録製で有料。年間購読費は13000円なので、月1200円程度の計算になる。メディアの中ではかなりクローズドな情報を扱ってるので、一読の価値ありのメディアだろう。


メディカル朝日

メディカル朝日は月ごとに読むと1050円で、年間購読費を払えば6000円で済む。書籍媒体で、医療の専門家のインタビュー記事、最新研究など、多彩な関連項目がある。
どっちかというと、医学系のスクープ系の情報が多い気がする本。




医学独特の文体や英語表現を身につけるためのツール
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医学系の翻訳には堅苦しい独特の文体や英語表現がある。訳文をする上でそれらを身につけておくことは、いざって時にかなり役立つ。そんな独特の文体や、表現を身につける勉強ツールを紹介。


New England Journal of Medicine

世界で最も多くの研究者が投稿する論文サイト。無料でも一部購読が可能。全部見るには有料だが、無料でも十分。
論文の中から用語を探す索引検索もできる。医学系の論文を頻繁に読めるサイトは、ここ以外ではそう無い。


Lancet

外国のサイト。オンライン文章や医学系の出版物がPDF形式で閲覧できる。無料でかなりの量が読めるので、毎日購読する人にはかなり向いている。


Journal of American Medical Association

アメリカ医学会が発行する医学関連文章をウェブで、一挙に公開している。特に最新の記事がサイトにアップされており、随時更新されている。購読には最適。


British Medical Journal

世界中でハイクオリティな文書を集めたサイト。論文を検索でき、会員になればいろんな機能が使える。

かなり最新の医学系ニュースを扱ってるいるため無料でも十分使える。他のサイトと比べると若干シンプル。



*オーディオを聴く

NEJM weekly Audio Summary

NEJMの論文の一部を毎週音声で提供。医学系のマニアックな英文を音声で聴ける、かなり貴重なサイト。もちろん無料。

ダウンロードして保存することもできる。
かなりの英語力がないと聞き取れないだけにいい訓練になる教材だろう。





医学翻訳用CATツール

コンピュータ支援翻訳(CAT)ツールは、翻訳作業を一段上のレベルに引き上げる。ここでは医学用のCATツールを紹介。


Med-Transer

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画期的な翻訳作業環境の「翻訳エディタ」と、辞書の増強により翻訳精度が向上した医学専用翻訳ソフト。
総辞書数836.4万語(英日:368.4万語、日英:468.4万語)収録。医学基本語辞書378.4万語、医学用専門語辞書458.4万語を収録。対応機種はWindows10、Office2016、Office365、IE11


値段が高価なためあまり、翻訳始めの人は購入する人はネット上では見かけない。翻訳学校の専門講師は多用しているとのことで紹介してみた。
MED-Transer


SDL Trados

SDL Trados Studioは、250,000人を超える翻訳のプロが使用するCATツール。


翻訳メモリ(TM)はSDL Trados Studioの中心となる機能。過去に翻訳したコンテンツの再利用が可能になるため、高品質を維持しながら、翻訳プロジェクトをより迅速に完了できる。


その翻訳メモリ(TM)により、訳文を再利用して翻訳作業をスピードアップできる。 TM内で一致が多く見つかるほど、翻訳の一貫性が高まり、作業をより迅速に消化できます。なのでSDL Tradosはそうした過去の翻訳を最大限に再利用することで、翻訳プロジェクトを迅速に進められる。



対訳くん

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驚異的な語彙数を誇る最新の「英辞郎」をセットしている。他のCATツールよりかなり安い値段。豊富な用例と、日々増殖を続ける「英辞郎」があれば、最新の医学文献を読み解く際にかなり役立つ。


16冊の辞書と「英辞郎」の豊富な語彙数を収録している。データベース機能を搭載し、執筆した論文等オリジナルのデータを簡単に登録・変更可能。

現在は販売停止だが、近々ダウンロード版がでる予定。オークションなどで中古が手に入る
【対応OS】Windows XP / Windows Vista / Windows 7/ Windows 8




今回は翻訳学校内に眠っている情報をまとめてみた。高くて手が出ないものもあるが、その性能はお墨付きのものばかり。無料の辞書や教材だけでも、目的に合わせて使いたいところ。