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学士・大学編入での「物理」の現実的な勉強法と対策:過去問入手方法&おすすめ参考書.etc

自分は数年前に大学編入試験を受けた。理系志望で難関国公立に受かっている。編入試験は一般に出回っている情報がメチャクチャ少なく、勉強法などは経験者や予備校などクローズドな人しか知らない(はず)。そこで今回は大学編入試験(または学士編入)の受験科目である「物理学」の最もてっとり早い、現実的な勉強法を紹介しようと思う。

目次
・「物理学」の現実的な勉強法
・勉強期間&予備校の利用法

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「物理学」の現実的な勉強法
大学編入試験、特に理系の国公立は6〜8月にかけて行われる。主な受験科目は
  • 英語
  • 数学
  • 物理学

などがほとんどだろう。編入試験は狭き門だが、本音を言うとモチベーションが続かなかったり、まともに勉強してない受験者が多いから合格者が少ないという事実がある。

つまり、まともに勉強すれば、編入試験はほとんど受かるケースが多い。だが、それが難しいのは「大学受験ほど受験者が多くないため、勉強法などの情報がネットや一般向けに公開されていないから」だ。

ここでは個人的体験から受験科目である「物理学」の問題を解くために、必要な勉強方法を紹介する。勉強法は次の4つステップになっている。

STEP1.過去問で出題範囲を知る

STEP.2基礎を徹底的にマスターする

STEP.3基礎をマスターしたら応用問題を解く

STEP.4過去問を解き直す

STEP1.過去問で出題範囲を知る

まず、いきなり問題集やテキストから始める人がいるが、それはかなり時間が無駄になる。編入試験では、出題範囲が学校によってかなり違うからだ。まず、自分が受ける志望校の出題範囲を知ることから始める必要がある。

だいたい物理学の出題範囲は次の4つから出る

  • 力学
  • 電磁気学
  • 波動
  • 熱力学
  • (たまに原子分野)

難しい学校ほど出題範囲は多くなる。どれも高校の物理の延長線上にある問題だ。単純に簡単な学校は「力学、電磁気学」の2分野だけで済む。難関国公立は4分野から全て出題したり、「力学、電磁気学の難問」を出題したりする。


まず、過去問でこれらのうち、どこを勉強する必要があるかを分析してから問題集にとりかかるのが定石だといえる。

*数年に一度しか出題されない範囲でもできれば、勉強しておくことがオススメ。実際に3年間連続で出題されなくても、受験した年に出題されたという例は見てきた。仮に出題されなくても合格後にどうせ勉強するので、やっておいて損はない。



過去問の入手方法

過去問は志望校から取り寄せるのがもっとも一般的だ。しかし数年分、多分、1年分しか手に入らない。そこで「予備校から仕入れる」方法がある。多少お金がかかるが、予備校は過去問を10年分くらいためてるところもあるからだ。


具体的方法は後述するが、簡単に言ってしまうと
・夏期講習など短期間だけ予備校に入塾してしまう
方法がある。そうすれば一応、生徒扱いなので過去問もコピーし放題。まともに正規生になるよりは、ずっと安上がりで大量の過去問が手に入る。



STEP.2基礎を徹底的にマスターする

ここでは高校範囲と、大学初年度の物理学の基礎知識を徹底的にマスターしよう。
ここで「基礎知識をマスターすること」を噛み砕いて言うと
・基礎知識の暗記
・基礎知識の物理的な意味の理解

の2つだ。


まず試験問題を基礎知識無しで、つまり暗記しないで解くことはできない。また知識を丸暗記してもその知識が「物理的にどういう意味を持つのか」を理解していなければ知識は使いこなせない。


これを例えて言うならゲームがわかりやすいだろう。ゲームの説明書にやり方が書いてある。いきなり説明書を見ないでやる人はいないはずだ。やり方が分からなければゲームなんかできない、つまりクリアできないからだ。ここではゲームの説明書に書いてあることが基礎知識に当たる。


試験問題も同じだ。基礎知識という説明書(参考書)に書いてあることを理解して、試験というゲームに挑む(問題を解く)。そして、はじめて試験に合格できる(ゲームをクリアできる)ようになる。
つまり試験問題は基礎知識のマスターは避けて通れない道だ。以下では高校と大学の範囲に分けて、オススメの参考書を紹介します。


基礎知識マスター-「高校範囲」

高校の範囲は参考書が山のようにでている。ゴミ本から秀逸な本までたくさんあるが、1つだけ共通するのは「基礎知識のマスターのためには1つの参考書を何回も反復すること」だ。何冊も買っても、どれもやりきれなくて途中で辞めてしまうことが多い。


一応、今でている高校の物理の範囲で最も詳しい参考書は次の4冊

どれも著者が浜島清利という河合塾の熟練講師なので、内容が繋がっている。しかもかなりわかりやすい。物理がサッパリな文系の人は「New浜島物理I・II講義の実況中継上・下」から始めよう。


ある程度わかってるよ、という人は「物理のエッセンス」をオススメする。「New浜島物理I・II講義の実況中継上・下」からやって、「物理のエッセンス」に入るのが、一番いい基礎マスターの道だ。
著者が同じなので、内容がかぶることもなく安心して学習できるし、無駄がない。


基礎マスター-「大学範囲」

大学の物理は高校と違って、数学の知識がいる。ある程度、大学教養課程の数学の知識は身につけておく必要がある。
大学範囲で一番、基礎知識を詳しく解説しているのは次の通りだ「マセマ」というかなり変わった名前の出版社だが、Amazonレビューを見てもわかる通り、おそらく大学範囲の参考書の中で一番わかりやすい。
波動だけ「マセマ」ではないけど、波動は「振動・波動 (裳華房テキストシリーズ)」がかなりいいと思う。

ここは人それぞれなので、デカイ書店で見て自分に合うものを探すのが一番いい。

*ここではあくまで基礎知識の暗記と物理的意味の理解が目的。なので必要無いなら、ちらほら見かける応用問題や応用的な知識は、無理に手をつけなくていい。

とくにマセマは物理に必要な数学知識も一緒に解説してくれている。だから数学の参考書を買う必要がないのが、メッチャありがたい。
大学範囲の物理学はこれらの参考書があれば充分だろう。



STEP.3基礎をマスターしたら応用問題を解く

応用問題を解く目的は
・基礎知識を使いこなす
ただこれだけだ。
わかりやすいように格闘ゲームを例にしてみよう。やる順番は
  1. 基礎知識である技のコマンドを覚える(昇竜拳とか波動拳)
  2. この基礎知識である技のコマンドを自在に使いこなすように練習する
  3. 基礎知識の技のコマンドを使いこなして強敵を倒す
  4. そして使いこなせれば強いラスボスも倒して晴れてゲームクリア。エンディングも見れる。



受験も順番は同じだ。

  1. 基礎知識をマスターする
  2. 今度はこの基礎知識を自由自在に使いこなす練習をする
  3. 基礎知識を使いこなして、受験問題という強敵を倒す
  4. 受験問題が解ければ、晴れてゲームクリア。合格発表がエンディングだ


これでなんとなく、応用問題を解く意味がわかっただろうか?応用問題を解く目的が「基礎知識を自由自在に使いこなす」ことなわけです。そのために応用問題を解く必要がある。
編入試験でオススメの問題集は

基礎物理学演習 (1) (ライブラリ工学基礎物理学 (別巻=1))

基礎物理学演習 (2)

だ。これは大学範囲、特に編入試験の問題が多く掲載されている。この問題を基礎知識を使って解けるようになれば、過去問はほぼ解ける。問題集は人によりけりなので、他にお気に入りがあれば、それでも構わない。一応、基礎物理学演習は予備校でも勧められている名著だ。


個人的本当にオススメ参考書(力学、電磁気学



オススメの問題集のやり方

オススメの問題集のやり方は
・参考書を見ながらでもいいので、とにかく自分なりの解答を出す

こと。間違えてもいい。まずは基礎知識だけを使って、自力で問題を解こう。すぐに答えを見てはいけない。ここでウンウンうなって考えることで、思考力がつき、この思考力で過去問が解けるようになる。

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そして間違えてもいいので自分で答えを出そう。「基礎知識のマスター」のところで使った参考書を見ても構わない。その基礎知識だけを使って応用問題をなんとか解けるようになること。それがこの応用問題を解く目的だ。


応用問題はせめて2周はしたい。できるだけ反復練習することが大事。最終的に正解を自分の手で導ければ、過去問も解けるようになっているはずだ。


STEP.4過去問を解き直す

応用問題で思考力をつけたら最後にSTEP1で見た過去問を解いてみよう。STEP.2と3をじっくり、しっかりやっていれば、過去問は間違いなく解ける。解ければとりあえず安心だ。後は、STEP.2〜4を繰り返したり、過去問をもっとやってもいい。


もし解けない場合は「まだ基礎知識を使って応用問題を解く力がない」ということだ。もう一度STEP2で基礎知識をマスターし直したり、STEP3で応用問題を時間をかけて解くことを繰り返そう。


特に過去問を解くための「思考力」は身につけるのに2ヶ月ほどかかる。嘘ではなく、物理というのはある日突然ブレイクスルーが起きたかのように、過去問が解けるようになる。物理とか理系科目はそういうパターンがほとんどだ。


「思考力」を短期間で身につけるために

できるだけ早く「思考力」を身につけたいなら「STEP3」で答えを見ずに、応用問題にたっぷり時間をかけて解いてみよう。

自分の経験だが、難問を2時間くらいかけて解くことを繰り返したら、2週間〜3週間くらいで過去問が解けるようになった。

「難問をたっぷり時間をかけて解く」、これをすることで、短期間で思考力が身につく。もちろん基礎知識をマスターしていることが前提。



勉強期間&予備校の利用法

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勉強期間

編入試験特に理系は6〜8月に試験があるケースが多いので、勉強時間の配分はかなり重要だ。理系出身であることを前提として、ここでは理想の時間配分を紹介しよう。
だいたい、1年くらいを目安にしてもらえればいいと思う


基礎に使う勉強期間(9〜3月)

まずは基礎知識のマスターだ。つまりここではSTEP2。高校範囲と大学範囲のマスターは結構時間がかかる。独学ならなおさら大変だ。基礎知識のマスターはだいたい9〜3月くらいで時間をかけてじっくりやろう。基礎をマスターすれば応用は早い

応用問題に使う勉強期間(3月〜5月)

応用問題はだいたい2ヶ月くらいで充分だ。ペースとしては問題集を3周するぐらいがちょうどいいだろう。期間は3〜5月。


過去問で演習をする期間(5月〜6月)

過去問で演習するのは、過去問が解ける力がついてるか試す時期だ。期間は1ヶ月くらいで充分だろう。だいたいここで6月。この期間で過去問が解けるようになっていることが理想だ。


基礎をマスターし、応用問題をしっかりやって思考力をつけていれば、ここで過去問が解けないことはほぼないだろう。なるべく余裕をもってこのステージにこれるかで、編入試験に合格する確率も大きく変わる。


予備校の利用法

最後に予備校の利用法を書いておこうと思う。編入試験対策専門の予備校は知っているところだと、河合塾KALS中央ゼミナールだ。この2校以外で本格的に編入試験対策をしている予備校は知らない。

多分あるけど予備校という点では同じなので、予備校の利用法を書いておこうと思う。


独学で勉強できないときに使う

独学で勉強できない人もいるはずだ。モチベーションがもたない、勉強がわからない。理由は様々だが、独学というのは不安要素も大きいので、かなりの精神力がいるのも確かだ。そんな時、予備校を利用して仲間を作るのもかなり効果的。


編入試験の受験者の多くは、予備校を利用するので、毎年必ず受講生はいる。勉強仲間を作れば受かるわけではないが、モチベーションの維持とか、勉強でわからないところを講師に聞くというのも賢い予備校の利用法の1つだ。


過去問を安く、大量に入手するために使う

さっきも書いたけど、編入試験の過去問は志望校から取り寄せるしかない。しかし一年分しか配分していない場合がほとんど。なので、過去問を大量に手っ取り早く仕入れる方法として、予備校を使う手がある。

それは
・夏期講習のように一時的に塾生になる
ことだ。実は編入試験の予備校はかなり高い。正規生ともなると10万円以上かかることもあるのだ。そこで、夏期講習や冬季講習などの科目を受講することで、一時的に塾生になれば正規生と同じ扱いになる。

つまり過去問を見放題、手に入れ放題ということ。夏期講習や冬季講習は数万円とかなり安いので、過去問を手に入れるだけが目的なら、かなり使える手段といえる。まともに正規生にならなくても、過去問が手に入るかなりオススメの方法。

もちろん、わからないところを聞くこともできる。自分なりに賢く塾を利用して、合格の糧にしよう。




ここまで、編入試験の物理の勉強方法と予備校の利用法などを書いてきた。正直、勉強方法は人により異なるが、だいたいのフォーマットは決まっている。
それが今回紹介した勉強方法だと思う。ここで紹介した勉強方法に自分なりのアレンジを効かせて、オリジナルの勉強方法が作れればなおいい。「勉強が楽しい」と思えてるころには合格する力が身についているはずだ。

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