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翻訳学校よりも有能なサイト「アメリア」完全ガイド。特にオススメなサービスまとめ【フリーランス翻訳者に必要な情報一覧】

フリーランス翻訳者になってから「アメリア」という翻訳専用サービスのサイト会員になった。仕事を得るために登録しておいたが、予想外に使えるので、正直、翻訳学校よりも投資効果がある。そこで、「アメリア」で特に使えそうなサービスを出来るだけ紹介しておこうと思う。

目次
0.アメリアについての情報
1.情報・コラム
2.スキルアップ
3.コミュニティ
4.JOB


0.アメリアについての情報

「アメリア」とは?

アメリアとは翻訳者、特にフリーランスの人のために様々な翻訳サービスを提供するサイトだ。メインカテゴリーは

1.情報・コラム
2.スキルアップ
3.コミュニティ
4.JOB
5.翻訳プロジェクト

の5つ。年会費は15000円くらいで決して安くないが、以下の点でそのサービスはフリーランス翻訳者にとっては貴重だ。
・仕事を早くもらえる
・勉強方法を知れる
・全国ネットで翻訳者仲間を探せる
・翻訳者には貴重な情報が手に入る
・その他多数

自分は翻訳学校に6万ほど払ったが、翻訳学校やネット上の求人サービスの欠点はユーザーが欲しいサービスを提供していない”不親切さ”にある。テキストだけ渡して、添削以外のサービスが全くないなど不便すぎるのだ。その点で、巷の翻訳サービスより、「アメリア」に登録した方が初期投資としてずっと効果的だ。これは間違いない。



オススメの利用法

オススメの利用法としては「1年間契約をして必要なサービスや情報を利用してから、1年以内に辞める」のがオススメだ。長く会員になる必要はない。あくまで初期投資の1つとして登録しておくことをオススメする。

ちなみに自分はある程度スキルがついてから会員になった。いきなり「翻訳者になろう」として登録しても、ある程度”翻訳慣れ”していないとサービスも使いこなせない。

レベル10で使える武器をレベル1のときに手に入れても”猫に小判”だからだ。
アメリアに登録するときは「翻訳の勉強をした」とか「トライアルや試験を受けた経験」などある程度、”翻訳慣れ”した状態で会員になる方がサービスを使いこなせるので、”鬼に金棒”になる。



アメリア会員になるメリット

アメリア会員になるメリットは翻訳者に必要なサービスがほとんど揃っている点だ。のべたように、現在、巷の大きな翻訳サービスの欠点は、徹底して”不親切”ということ。一般的な翻訳者ユーザーが求めているサービスを提供しているところはほとんどない。
当たり前といっては当たり前だが、「アメリア」は翻訳者ユーザーを対象にしたサイトなので、そのサービスはかなり”質”が高い。つまり、アメリアはネット上や他の支援サービスでは手に入らない情報やサービスが、多くあるということだ。

ある意味”なんでもサイト”感があり、初期投資効果はかなり高い。アメリアを利用するメリットは以下の点がある。
・独学で翻訳スキルを上げることができる
・普通に応募するよりも仕事が即もらえる
・誰にも聞ける人がいない場合、他の翻訳者に相談できる
・勉強法、フリーランスに必要な情報など、翻訳家を目指す上でネットにはない貴重な情報がある。
・翻訳仲間を全国ネットで探せる

これらは他の翻訳サービスではほとんど手に入らないし、自分でやろうとしても膨大な時間がかかる。これらのメリットを一度に手に入れる、という意味で「アメリア」を利用する価値は充分ある。

次にアメリアで役立つカテゴリー
1.情報・コラム
2.スキルアップ
3.コミュニティ
4.JOB

について特に役立つ情報を紹介していく。




1.情報・コラム

翻訳情報や「翻訳会社の舞台裏」や、「プロなどの書くコラム」など、㊙︎情報が結構載っているので、初めて見る人には新鮮なコーナーとなっている。


「情報・コラム」のサービス一覧


情報・コラムのサービス下記の通りだ。
・連載
→翻訳会社の担当者や現役翻訳者がインタビューやコラム、など”現場”の声を届ける連載式のコーナー。個人的に面白いのは「分野別大研究」「翻訳者の舞台裏」だ。漫画形式で連載されているものもあり、わかりやすい貴重情報が多い。

・お仕事サポート情報集
→「翻訳支援ツールの殿堂」「実務翻訳の仕事ガイド」など、実際に仕事をする際に必要な情報を紹介している。特にオススメなのは「翻訳支援ツールの殿堂」だ(詳細は後述)。

・翻訳お役立ち情報集
→アメリアが発行する連載誌『Amelia』に掲載され、特に反響が高かった貴重な情報がほぞんされている。特に「フリーランスの知恵袋」はフリーランスなったときに必要な情報が多く掲載されている。

この中から特に使えるコーナー「翻訳支援ツールの殿堂」と「フリーランスの知恵袋」について紹介していく。



オススメサービス「翻訳支援ツール」

「翻訳支援ツール」は辞書とは違う、機械がある程度自動で翻訳してくれるちょっと高価なツールだ。プロになれば、ほとんどの人が使っている。
これらのツールは一般に詳しい情報が流通していないし、ツール自体が高価だったりするのでなかなか手に入りにくい。しかし、アメリア経由で買うと安く買えるし、情報も詳しく載っている。

購入の基本的な流れは「30日間ほどの”お試し期間”があるので、使ってみて気に入ったら買ってみる」が普通だ。


紹介ツール一覧

SDL Trados Studio
通称「トラドス」。全世界で最も使われている翻訳ツール。使える機能は山ほどあるが、簡単に言うと”一度作成した訳文を再利用できるツール”だ。全世界の翻訳者が一度翻訳した訳文をトラドスで再利用できる。そのため、翻訳の質を保ちながら、圧倒的な時間短縮になる。

会社でも「トラドス」の使用経験を聞いてくるところもあり、フリーランスになるなら是非手に入れたいツール。お試し期間は30日。

memoQ
数字変換、訳文自動保存、スペルチェックなど、挙げればキリがないが、翻訳に必要な機能が1つになったツール。
トラドスのように訳文の再利用はできないが、翻訳のケアレスミスを防いでくれるツール。お試し期間は45日間。

Babel
映画やDVDなどの字幕翻訳用のソフトウェア。主な機能は映画などのセリフを翻訳したら、その文章を映像に載せることだ。

他にも映像翻訳に必要な機能はもちろん、字幕の位置を変えたり、コストパフォーマンスが極めて高い。お試し期間の代わりに無料講習が受けられる。

ABBYY FineReader 12
メイン機能は、紙の原稿や資料をすぐにwordやExcelなどの編集可能なデータに変換できるソフト。190言語に対応していて、「OCR」という機能で手書きや印刷された文字を、カメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する。

かなり高い精度であらゆる文字をデータ化可能。他にもたくさんの機能がついている。お試し期間は無いが、値段は1万円からとかなりリーズナブル。



オススメサービス「フリーランスの知恵袋」

ここではフリーランスの翻訳者に役立つ、フリーランス用の情報を紹介している。
特に以下の記事情報が個人的に役に立った。



私の駆け出し時代

複数のプロの翻訳者が新米だったころの当時を語る。オススメの情報は

・翻訳家としての最初の仕事のミスは致命的。ミスの無い翻訳をしろという内容

・翻訳家は経験や知識など、翻訳分野に関するバックグラウンドがかなり重要という話
の2つだ。



翻訳者に必要な資格は?

企業の人に「資格は重要か」のアンケートを実施した記事。だいたいの企業の約3割は、「資格自体はほとんど評価していない」というデータが出ている。
この記事情報からわかることは
・翻訳は資格よりも経験を重視される

ということ。つまりむやみやたらと資格をとってもあまり仕事に直結しない。資格をとるよりも「最低限の仕事のマナー、納期が守れるか、誇れる経歴があるか」などの方が重要視されるということた。

特に面白い情報は
TOEICなどの英語能力試験は参考にはするが重視はしない

・資格より訳文を仕上げる日本語力

・資格よりも翻訳者としての経験を重視

・オーストラリアにはNAATIという翻訳の国家資格がある

の4つだ。読んでいて今後、資格をとるべきか参考になる。



知っておきたい確定申告

フリーランスに必要な確定申告の手順や情報をほぼ網羅。
使える内容は以下の内容だ。

・海外移住した場合の確定申告

フリーランスになったときの確定申告の準備から申告までの方法一覧

フリーランスで翻訳が副業の場合にも確定申告は必要か

・稼いだ金額でも翻訳経費に使ったお金は税金に含まれないが、どこまでが経費かについて

・”青色申告”など、割安になるお得な申告方法



2.スキルアップ

ここは独学でも十分レベルアップできるサービスが整っている。翻訳学校でテキストをやるより、ここで定訳トライアルや一行翻訳をやった方がいい。体験者の勉強法も多数掲載されている。



スキルアップのサービス一覧

スキルアップのサービスは以下の通り。
・定訳トライアル
→「仕事ととして通用するレベル」かどうかを確かめる。一番使えるコーナー(詳細は後述)。

・翻訳トライアスロン
→出版・映像・実務の翻訳の3種目で翻訳力を競うイベント。上位者はコードレスクリーナー、Amazonギフト券1万円など、いろんな豪華(?)賞品がもらえる

・翻訳お料理番
→短い課題文を翻訳するコーナー。3ヶ月後の月刊誌『Amelia』に訳例と総評を掲載。

・一行翻訳
→和訳英訳の短文の訳文を投稿するコーナー。結果は即日公開され、応募者同士でコメントをし合うこともできる。

・ミニ翻訳コンテスト
→短い英文を翻訳して上位なら賞品ももらえる。参加者同士で人気投票形式。

・イベント情報
TOEICの日程を中心に翻訳のスキルアップイベントの情報を掲載

・ミニテスト
→「誤字脱字発見テスト」「映像翻訳適性テスト」など、合計で11つのミニテストができる。全て選択式で制限時間内に解答する。評価やコメント、順位など他の翻訳者との競うこともできる。


この中で使えるのは「定訳トライアル」だ。”一行翻訳”や”ミニコンテスト”など、他のコーナーはあまり大きな成果は得られないと思う。個人的に本格的に利用してスキルアップを図るなら「定訳トライアル」だけで十分。



定訳トライアル

定訳トライアルとは

定訳トライアルは1ヶ月に一回開催され、ITやビジネスなど主要な翻訳分野の中から、2分野ランダムに選択される。1回1500円かかるので、オススメの利用法としては、過去問を利用すること。それなら、無料でトライアルをすることができる。

次に訳文の難易度だが、”仕事に通用するレベル”をモットーにしたレベルの英文が出題される。そのレベルは有名な翻訳試験(例えば、TQE)より難しい。訳文提出後にはレベル別でE、D、C、B、A、AAの評価がもらえるので、高評価がもらえれば普通のトライアルに余裕で受かるだけの力がつく。


”評価AまたはAA”を取得するメリット

評価Aを同じ分野で2回、またはAAの評価をもらえれば、”クラウン会員”の称号がもらえる。クラウン会員は全部で10の分野ごとに1つもらえる。

クラウン会員になるメリットは以下の通りだ。

・「定訳トライアル」が無料になる

・アメリアの経験者欄に掲載され、翻訳会社からスカウトするチャンスができる

・アメリアでより仕事をもらいやすくなる

・どこでも通用するレベルの翻訳力が身につく

「定訳トライアル」を利用するなら、その目的はほとんどが”スキルアップのため”になるが、クラウン会員になることを目指してやってみよう。例えいい評価をもらえなくても、訳文を作成した力は確実に翻訳力の底上げに繋がる。



オススメの利用法

定訳トライアルのオススメの利用法だが、とことん”質”を追求してみよう。トライアルに出てもいいし、過去問を自力で解くのもいい。過去問ならタダできるので過去問を利用するのがいいかもしれない。

具体的に翻訳力を鍛える手順は
1.参考書で知識を覚える
2.覚えた知識をフル活用して訳文を作成する

の流れが一般的になる。

そして訳文を作成するとき、「この訳でいいのか」をとことん考える。できれば、数時間、数週間かけて考えてみよう。
訳文を作ってみて、文章がきちんと成立するかなど、訳が不自然にならないようにウンウンうなって考えた思考力は、必ず翻訳力のアップに生きてくる。


知識を頭に入れたら(インプット)、難しめの訳文でその知識をアウトプットすれば、仕事で通用する翻訳力が身につく。
以下の図と掲載されていた勉強法を参考にしてほしい。



「定訳トライアル」の参考勉強法

とことん質!ひとつの課題を暗記するまで推敲
AAをいただいたノンフィクションの課題は、引っかかる箇所を頭の中で反芻しながら2週間くらいかけて取り組み、いつもの数倍手直ししてから提出しました。
最初はすんなり理解できたと思った箇所でもどんどん疑問や迷いがわいてきます。その一つ一つに答えを出そうと奮闘することが身になっていくように思います。

アメリアの「オススメの勉強法」より




3.コミュニティ

ここは翻訳で挫けそうなときやモチベが沸かないときに、相談したり、翻訳仲間を探すことのできるコーナー。教えてgooのように気軽に相談できて、返答もちゃんともらえる。コミュニティのサービスは「コミュニティ掲示板」「メル友サーチ」の2つだ。


コミュニティ掲示板

「全般、質問、勉強会」の3つの種類を選択できる。基本的に2チャンネルみたいな書き込み式の掲示板で、用途は”質問”で使う人が圧倒的だ。フリーランスに悩みはつきものなので、「悩むことがあるけど、聞く人がいない」なんてときにはこの掲示板で質問をするとほとんど回答してもらえる。あまりに手間のかかる質問でない方がいい。仕事や、勉強などたいていのことならOK。
特に質問として多かったのは

・勉強法
・翻訳会社とのやりとりの相談
・仕事の効率化など仕事全般に関する質問
・翻訳に関するほとんどの疑問・質問

だった。

”勉強会”は翻訳の勉強会を開くための宣伝に使っている人が多い。



メル友サーチ

いわゆる”翻訳仲間”を探せるコーナーだ。メールでやりとりをすることを前提にして、同じ翻訳分野や全国各地から翻訳仲間を募集できる。

基本的にプロフィールを書いて、誘いが来るのを待ったり、声をかけたりすることでメル友を探す。プロフィールを見たところ、ほとんどが以下の目的でメル友を募集していた。

・学校以外での翻訳仲間を探す
・翻訳の情報交換
・勉強のモチベーション仲間探し
・翻訳企画の誘い

つまり、ほとんどが翻訳に関してギブアンドテイクを目的にした仲間探しが大半だった。単純に翻訳の友達探しでも何でも、利用する動機は自由だ。

匿名で名前を明かさずにやりとりが可能なので、プライバシーも問題ない。とにかく何でもいいから翻訳仲間がほしいならかなり便利コーナーだといえる。基本、向こうは相手を探しているので、自分から積極的にアタックすれば高確率で相手も答えてくれる。





4.JOB

「お探しの求人情報がいち早くわかり、トライアルも受かりやすい」、これがアメリアが初期投資にオススメな理由だ。

アメリアはgoogle検索など、サイトから翻訳会社に応募するよりもトライアルをもらいやすい。早い話、仕事にいち早く直結する。自分はgoogleで2週間かかった審査にアメリアだと2日で通った。この”JOB”コーナーの3つのサービスはどれも使えるので、まとめて紹介していく。


求人情報検索

検索項目とその内訳

キーワード検索
募集期間→緊急、新着、常時募集

募集職種→翻訳者、アシスタント、チェッカー、下訳、リーディング、コーディネーター

翻訳言語→英語、中国語、フランス語を含めた11ヶ国語

翻訳分野→IT、金融、メディカル、工業、特許、その他

勤務形態→在宅勤務、オンサイト勤務

勤務地→全国

雇用形態→正社員、契約社員フリーランス、アルバイト、派遣社員


使ってみた感想

登録会社は東京だけで472社、全国や海外も含めると全部で535社がアメリアに登録している。自分はメディカルの分野で結構絞り込んだが、それでも10件ほどヒットしたので、ほとんどお目当の求人はあると考えていい。

あと注目したいのは書類審査の通りやすさと、受かった後に仕事がすぐ来ることだ。

書類審査の通りやすさGoogle検索で応募した場合、2週間かかっていて、実績がないとあまり通らない。しかしアメリアだとトライアルまでの審査が2日で、3件応募した中で3件とも審査が通った。サイトから会社に応募した場合だと結構審査も厳しめなので、アメリア経由で申し込んだ方が審査は通りやすい。

何より、トライアルに受かったら仕事が即来る。普通はGoogle経由で会社に登録しても、あまり仕事は回ってこない。しかし、アメリアの会社は人材を急募していることも多いので、受かれば仕事はすぐに来るはずだ。これが「JOB」の最大のメリットといえる。

ちなみに”クラウン会員”になっていれば、経験者枠で応募されるので、より優遇されて仕事がもらえる。



会員プロフィール検索

ここでは自分のプロィールを掲載して、会社からスカウトをもらえる仕組みだ。現在、映像翻訳、出版翻訳、実務翻訳ともに100件以上登録されている。

どのくらいスカウトされやすいのかわからないが、確かな実績があったり、クラウン会員であれば、確実にスカウトは気やすくなる。

登録できる翻訳業種も多彩で、そうとうマニアックな経歴項目もあり、より緻密に自分の経歴をアピールできる。

コメントでかなり具体的な経歴が書ければ有利。ちなみにクラウン会員であれば、上位に表示され、会社の目にも止まりやすいのは確かだ。



出版持ち込みステーション

これは海外の隠れた名著を探してきて「翻訳して出版しませんか?」と出版社に企画を持ち込むコーナーだ。まず、採用されれば企画料として3万円がもらえる。そして基本的に持ち込んだ人に翻訳/共役/下訳をしてもらうことになる。
下訳とは「原稿を大まかでいいので翻訳すること」。名著だった場合、翻訳者には印税が支払われる。


もし海外で隠れた名著があれば、持ち込み→翻訳→出版→印税GETという流れになる。小説や漫画を書くよりバクチ要素も低く、大きな収入を得るチャンスだ。出版社はスケジュールがあるので、受付期間内に出す必要がある。


原著探し→採用までの流れは、以下の図を参考にしてほしい。


今回は翻訳者サイト「アメリア」の使えるコーナーを一括で紹介してみた。翻訳者、特にフリーランスにとっては学校に行くよりも絶対に投資効果は高い。興味のあるサービスがあれば、登録してみて損はない。